以下の症状が一つでも当てはまる方はお気軽にご相談ください
●チェック!
□おしっこに行く回数が増えてきた
□残尿感がある(おしっこの後すっきりしない)
□おしっこをするときやした後に痛みがある(排尿痛)
□おしっこが漏れる
□おしっこのいきおいがない
泌尿器科専門医による専門的な診察・検査を受けてみませんか。ともまさ泌尿器科・皮フ科では症状をうかがっただけで機械的に投薬するだけの治療はしていません。患者さんと一緒に原因を探り、それに合わせた最適な治療法を選んでいます。患者さんによっては薬を使った治療より、生活習慣や生活環境の見なおしをするほうが効果的なこともあります。おしっこの症状が改善すれば、旅行に出かけたり、映画を楽しんだりと生活の質が向上します。また、検査によって、重い病気の早期発見につながることもあります。性別、年齢を問わず、お悩みの方はどうぞお気軽にご相談ください。
■頻尿
尿の量にかかわらず、尿の回数が多いのを頻尿と言います。頻尿の原因を大きく分けると尿の量が多くなる場合(多尿ともいいます)と、1回の排尿で出す尿の量が少なくなる場合になります。
■尿失禁
膀胱は尿(おしっこ)をためる袋ですが、単純な袋ではなく、それ自体が収縮することで尿を勢いよく押し出すことのできる、筋肉のふくろなんです。この筋肉を利尿筋(りにょうきん)といいます。膀胱にたまった尿がいつも出続けていては困ってしまいます。膀胱の出口をしめつけて尿をためるようにする機能をもった筋肉を括約筋(かつやくきん)といいます。ちょうど水道の蛇口のようなはたらきを持っていて、膀胱の出口の尿道を取り囲む位置に存在します。男性の場合は前立腺の真下になります。この、尿をためるはたらきと尿を出すはたらきのバランスによって排尿は成り立っています。このバランスのみだれによって尿失禁が起こってきますが、いくつかのタイプに分けて考えるとわかりやすいです。
■真性尿失禁
括約筋(おしっこをがまんする筋肉)がまったく機能しなくなった状態です。前立腺の手術の後や外傷などにより起こってくることがあります。おしっこはつねにでつづけ、いわゆる"たれながし"になります。
■腹圧性尿失禁
括約筋のちからが弱くなることで尿の圧力を支えきれなくなり、尿が漏れる状態で、お子様をたくさん出産した女性によく見られるパターンです。重たいものを持ち上げたり、くしゃみやせきなどでおなかに力が入るとにょうが"ちびって"しまいます。尿失禁体操が有効です。腹圧を高くしないために体重のコントロールも大切です。
■急迫性(きゅうはくせい)尿失禁
尿がたまると非常に強い尿意が出現し、トイレにかけこんでも間に合わずに漏れてしまう状態です。いわゆる"過活動膀胱"と言われる病態が典型的です。前立腺肥大症の方や脳血管障害(脳出血や脳こうそくなど)の後にもよく見られます。抗ひん尿薬(ひん尿のために作られているおくすり)の効果が期待できるタイプです。
■反射性尿失禁
交通事故などによる脊髄損傷にともなってみられるタイプの尿失禁です。尿のたまった感覚は欠落し(尿意がわからない)、反射により知らない間に尿が出ています。残尿(排尿後に膀胱に尿が残ること)が多いことがしばしばで、自己導尿が必要になることもあります。
■溢流(いつりゅう)性尿失禁
強い排尿困難があり、膀胱にたまった尿が全く出なくなることを尿閉(にょうへい)といいます。ただ、全く出ない状態でも、膀胱がパンパンになって内圧が上がってくると、大きな抵抗に打ち勝って尿道から少しづつ漏れてくることがあります。このように"あふれ出る"タイプの尿失禁を溢流性尿失禁といいます。前立腺肥大症や前立腺癌などでみられることがあります。
■機能性尿失禁
排尿に関する機能は正常なんですが、排尿にいたるまでの動作が遅いために間に合わずにもれてしまうタイプです。尿意があって、トイレに向かいますが、トイレに到着するまでに時間がかかり、そのあとさらに下着をおろして便器に構えるのにも時間がかかり、我慢しきれなくなってしまうんです。高齢の方に多いタイプです。
色々なタイプがあり、わかりにくいですね。日常よくみるのは腹圧性尿失禁と急迫性尿失禁で、ほとんどはこのいずれかと考えてよいと思います。病態によって治療法は変わってきます。
腎臓で作られた尿(おしっこ)は尿管という細い管を通って膀胱に運ばれます。膀胱にたまった尿は尿道を通って体外に排出されます。尿を出すことを排尿といいます。おしっこをするとも言いますね。前立腺は膀胱の出口、つまり尿道の始まりの部分にある、尿道を包み込むような形の臓器で、大きさはクルミくらいです。もともとは精液の一部を分泌する臓器ですから、生殖器になります。
前立腺は年齢とともに大きくなってきます。それにともない、尿道を圧迫することで尿が出にくい、尿の回数が多い(ひん尿)などの症状が出現してきます。これを前立腺肥大症と言います。加齢による変化で、ほとんどの男性がさけられない病態です。しかし、油断してはいけません。症状が悪化しているのに放置していると、膀胱や腎臓の機能に障害が出てくることもあります。
■症状
排尿困難(おしっこが出にくい)、ひん尿(おしっこが近い、おしっこの回数が多い)、残尿感(おしっこしたけどすっきりしない、残った感じがある)、尿失禁(おしっこがもれる)、排尿痛(おしっこするとき痛い)などの症状が代表的です。
■検査
・まず、症状をくわしくお聞きします。また、前立腺症状スコア(国際前立腺症状スコアともいいます。症状についての質問紙であてはまるところに○をつけるだけの簡単なものです)、排尿日誌(排尿した時間と、その時の尿の量をノートに記録するもので、簡単にできます)を記載していただくと検査・治療のためにたいへん参考になります。
・尿流量測定も簡単ですが、だいじなけんさです。器械に向かっておしっこをするだけで器械がおしっこのいきおいを数字とグラフに表してくれます。
・超音波検査(エコー)で前立腺の大きさや残尿の量、膀胱や腎臓の状態を調べます。おなかにゼリーを塗って器械をあてるだけの簡単な検査ですが、えられる情報は多いです。
・血液検査 腎臓の機能などに異常がないかをチェックします。PSA(前立腺特異抗原とも言います。前立腺癌で高値になります)のチェックも前立腺癌との鑑別のために重要です。こうした検査で前立腺肥大の有無、重症度を確認します。
■治療
症状の強さや前立腺の大きさを参考に治療について御相談いたします。
・薬物療法
前立腺部尿道をリラックスさせ、尿が楽に出るようにするおくすりが主流になります。排尿困難が強い場合は膀胱がちじむ力を強めるお薬を同時に使用することもあります。ひん尿でお困りの場合は膀胱がひろがりやすくするおくすりを併用することが多いです。前立腺は男性ホルモンの作用で大きくなることが多いので、これを逆手にとって、男性ホルモンの前立腺に作用する部分だけをブロックして前立腺を小さくするおくすりも最近は開発されています。併用することでより効果が期待できます。ほとんどの場合、この薬物療法で症状の改善が見られます。
・手術治療
重症の肥大症のばあい、残念ながらお薬の治療で十分な効果が得られない場合は手術を考えます。おなかを切開する方法は最近はほとんど行われなくなっています。内視鏡で削り取る方法や、レーザーでくりぬく方法などが主流になっています。当院ではこうした治療はむずかしいですが、御希望に合わせて適切な施設をご紹介させていただきます。
2006年に日本であらたに前立腺がんと診断された方は約42000人です。胃がん、大腸がん、肺がんに次いで第4位でした。さらに、症状が出ず、発見されない前立腺がんをふくめると50歳以上の男性では20-30%にみとめられます。非常に多いがんであるといえます。進行すると骨に転移することがあります。
■症状
がんが増えて、尿道を圧迫するようになると、おしっこが近い、出にくい、残った感じがするなどの症状が出てきます。骨に転移すると腰痛(ようつう、こしのいたみ)などがみられることもあります。しかし、最近は症状が出る前の早期の段階で血液検査でみつかる場合が多くなっています。
■診断
・血液検査での前立腺がんマーカーであるPSA(ピーエスエー:前立腺特異抗原、ぜんりつせんとくいこうげん)で疑われる場合がほとんどです。まれにPSAの数値が正常でも触診で見つかる場合もあります。症状が出てから受診される場合、残念ながら進行していることが多いです。早期発見のためには採血による検診が重要です。
・前立腺がんが疑われた場合は麻酔をかけて前立腺に針をさして組織を採取する生検を行います。診断の確定のためにはこの生検が必要です。
■治療
はやい段階で見つかった場合は手術による摘出が可能です。転移がないばあいは放射線治療も有効です。進行している場合や手術がむずかしいばあいは男性ホルモンを低下させるホルモン療法がおこなわれます。
●膀胱炎
若い女性に多い感染症です。尿道から菌が侵入するのが原因で、原因菌では大腸菌が最も多く見られます。排尿をがまんした後、生理中、体が弱ったときなどに起こしやすいです。
■症状
排尿痛、頻尿、残尿感、血尿、尿混濁などの症状がみられます。尿の検査でたくさんの白血球(膿、炎症細胞)が見出されます。
■検査
原因菌を特定するため、尿培養の検査を行います。複雑性尿路感染(結石や腫瘍、膀胱の機能障害など、特殊な原因で起こってくる膀胱炎)が疑われる場合は超音波検査や血液検査を行うこともあります。
■治療
通常は抗生剤の飲み薬の治療で数日間で症状が取れてきます。症状が取れても決められた量は飲みきるようにしましょう。
●急性前立腺炎
男性であれば、若い方でもかかることがあります。女性の膀胱炎同様、尿道から菌がはいることにより発症します。原因となる菌はやはり大腸菌が多いです。前立腺肥大症や神経因性膀胱(膀胱の機能をコントロールする神経の障害により排尿困難や頻尿・尿失禁などの症状がみられます)の方に合併しやすいです。
■症状
排尿痛、頻尿、残尿感、血尿、尿混濁など膀胱炎と同様の症状のほかに前立腺が腫大することによる排尿困難(おしっこが出にくい)、尿閉(おしっこが膀胱にたまっているのに出ない)、発熱などの症状がみられます。
■検査
膀胱炎と同様に尿の中に白血球が多数みられます。尿細菌培養で原因となる菌を調べます。血液検査で炎症の程度を確認することもあります。超音波検査で前立腺の腫大の程度や残尿の有無をチェックします。
■治療
症状が強かったり、検査所見から重症と判断された場合は点滴による抗生剤投与を行います。症状や検査所見が落ち着いてきたら飲み薬に切り替えていきます。症状により消炎・鎮痛薬や尿道や前立腺を弛緩させて尿を楽に出させる薬物を併用します。
●慢性前立腺炎・慢性骨盤疼痛症候群
20-40歳代の男性に多く見られます。不快な症状が長く続きますが、検査では異常がみられないことが多いです。
■症状
排尿時や射精時の痛みや不快感。尿道や陰嚢と肛門の間(会陰部)に感じる違和感や鈍痛。恥骨や下腹部、精巣(睾丸)、大腿部にかけての不快感など、漠然とした症状がみられます。
■検査
通常の尿検査、尿細菌検査や尿細胞診検査(尿の中に悪性細胞が混じっていないかを特殊な薬品と顕微鏡で調べる検査です)では異常を認めません。腫瘍や結石などの病気が隠れていないかどうかをみるために血液検査や超音波検査も行います。
■治療
明かな細菌感染の兆候はないのですが、抗菌薬の内服が有効なこともあります。症状を緩和するお薬、漢方薬などが使用されます。
●急性腎盂腎炎
腎臓に細菌が感染した状態です。ほとんどは膀胱炎に引き続いて起こり、逆行性感染(尿の流れと逆方向で、膀胱から尿管、腎に感染が広がります。上行性感染とも言います)の形をとります。まれに血液の流れに乗って(血行性)感染することもあります。
■症状
ほとんどは膀胱炎の症状に引き続いて起こってきます。感染した側の背中の痛み、背中をたたいた時の痛み(叩打痛と言います)、高熱がみられます。
■検査
膀胱炎のときと同じような尿検査、尿細菌培養検査にくわえ、超音波検査や炎症の程度や腎臓の機能を調べるための血液検査も行います。
■治療
血液検査での炎症の程度やお熱によりますが、点滴での抗生剤投与が必要になることが多いです。重症の場合は大事を取って入院をお勧めすることもあります。症状に合わせて解熱剤の投与を行うこともあります。
●精巣上体炎
精巣で作られた精子は精巣上体、次いで精管を通って尿道に運ばれ、体外に出されます(射精と言います)。この精子の通り道になる精巣上体(精巣の後方にある小さな臓器です)に菌が入り、感染を起こすのが精巣上体炎です。通常の細菌による感染もありますが、クラミジア(性行為感染症のところで説明しています)による感染も比較的多いです。菌は膀胱炎や前立腺炎と同じように尿道の方から逆行性に感染します。
■症状
精巣上体が大きく腫れ、痛みを伴います。ひどくなると精巣をふくめて陰嚢全体がはれて赤くなることもあります。排尿痛・残尿感・頻尿などの下部尿路症状(おしっこの症状)を伴うこともあります。発熱を伴うこともあります。
■検査
尿検査や血液検査で炎症の存在やその程度を確認します。尿中の細菌の種類を調べるための培養検査やクラミジア・淋菌の検査も必要に応じて行います。精巣が腫脹する他の疾患を鑑別するために超音波検査を行うこともあります。
■治療
飲み薬あるいは点滴で抗生剤を投与します。通院での点滴や、場合によっては入院をお勧めすることもあります。
●精巣炎
他の尿路感染症とはちがい、精巣炎は血液に乗って菌が入り込む(血行性の感染)ことが多いです。結核菌(今はほとんど見ません)の感染もありますが、よくみられるのは流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)に合併する精巣炎で耳下腺炎性精巣炎ともいいます。
■症状
耳下腺炎性精巣炎でみられるのは最初の発熱とともに耳下腺がはれ、いったん解熱し、2回目の発熱と同時にかたいっぽうあるいは両側の精巣の痛みと腫れが出現します。時期が来れば炎症は治まりますが、精子を作る機能(造精機能)の障害が残ることがあります。
■検査
症状と経過から診断できることが多いですが、重症度を評価するために血液検査などを行うことが多いです。
■治療
点滴や内服薬で抗生剤や鎮痛薬を投与します。
おしっこの通路である尿路に石が形成され、様々な症状を引き起こしてきます。石ができた部位により腎結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分類します。尿路結石のほとんどはカルシウムを主成分とするカルシウム結石ですが、尿酸の結晶からなる尿酸結石や蛋白でできた結石などもあります。尿管に結石がいきなりできることはなく、腎臓でできた石が尿管に詰まって尿管結石となります。膀胱結石は腎結石が尿管を通過しておりてきたものと、もともと膀胱にできた結石とがあります。
■症状
結石が動くことによる血尿、疼痛(痛み)が最もよく見られる症状です。腎臓にある小さな石では症状は出にくく、尿管におちたことで症状が出ることが多いです。膀胱結石では排尿痛、残尿感、頻尿など膀胱炎に類似の症状も出やすいです。
■検査
まずは単純の腹部X線検査を行いますが、小さな結石は単純写真では写らないことも多いです。尿検査で血尿のチェックをし、超音波検査で腎臓を観察します。腎臓の石は超音波でわかることが多いです。尿管の結石は超音波では描出しにくいですが、結石が尿管に陥頓することで腎臓がふくれてきて水腎症となると、超音波検査で腎盂の拡張として描出されます。結石の位置がはっきりしない場合はCTスキャンを行います。CTスキャンを用いればかなり小さな結石でも検出できます。
●腎細胞癌
腎臓にできる悪性腫瘍(がん)の代表です。発見が遅れると肺や骨などの多臓器に転移することもあります。
■症状
古くは血尿、側腹部痛、腫瘤触知、発熱などの症状で見つかることが多かったですが、健診の発達した現在ではむしろ超音波検査やCTスキャンなどで早い段階で偶然に見つかることが多くなっており、こうした"偶発癌"は治療成績も良好なことが多いです。
■検査
CTスキャン、MRIなどが診断に役立ちます。
■治療
腎細胞癌の診断がついたらまずは手術で摘出することを考えます。腎臓をまるごと摘出する手術(腎摘除術)や腫瘍の部分だけ切り取る手術(腎部分切除術)があります。最近は腹腔鏡手術や小切開手術、ロボット手術などの低侵襲手術も可能になっています。ご希望により適切な施設を紹介いたします。
●膀胱癌
膀胱にできる悪性腫瘍(がん)で、膀胱の内腔を覆う粘膜から発生する尿路上皮癌がほとんどです。粘膜から発生した癌は膀胱の壁の中に入り込んでいきます。進行すれば周囲のリンパ節や肺・骨などに転移することもあります。
■症状
ほとんどは血尿を初発症状とします。排尿痛や頻尿などの症状がみられることもあります。
■検査
・診断のためには内視鏡検査(膀胱鏡)が必要です。尿道からファイバーを入れて膀胱内、尿道を観察します。
・CTスキャンや造影剤を使った検査も必要になります。
・採血で貧血の有無や腎機能の障害について調べます。
・尿細胞診は尿中に膀胱癌を疑わせるような悪性の細胞が出ているかどうかを調べる検査です。痛みのない検査(低侵襲な検査)ですので、血尿のあった方は行ってみた方が良いでしょう。
■治療
・早期のものは尿道から機械を入れて行う内視鏡手術で治療可能です。
・進行したものは膀胱を摘出する手術や抗癌剤、放射線治療などが必要になります。
●腎盂癌・尿管癌
膀胱癌と同様の尿路上皮癌がほとんどです。
■症状
・膀胱癌と同じように血尿で見つかることが多いです。
・尿管での尿の流れが悪くなり、腎臓が腫れてくる(水腎症)と腹部や背部(おなかと背中)の痛みが出てくることもあります。
■検査
・膀胱癌を合併(同時に病気を持つこと)することが多いので、膀胱鏡は必須の検査となります。やはり悪性細胞が尿中にはがれおちてくることがあるので、尿細胞診も行います。
・腎臓や尿管を見るために腹部の超音波検査やCTスキャン、造影剤を用いた検査(腎盂造影)も必要になります。
■治療
腫瘍の部分だけを切除する手術では残った尿管に約50%の率で再発することが知られています。腫瘍のある側の腎臓から尿管の下端(膀胱との接合部)まで全て切除する必要があります。
●精巣腫瘍(睾丸腫瘍)
精巣(睾丸)に発生する腫瘍でほとんどが悪性です。20歳代から40歳代の若い男性に発生します。早期に転移するため、昔は予後不良の疾患でしたが、抗癌剤や放射線治療の進歩により予後は格段に改善しています。しかし、早期発見が重要なのは言うまでもありません。
■症状
精巣が硬く腫脹しますが、腫瘍の場合通常痛みを伴いません。炎症や精巣捻転(精巣がその根部である精索の部分でねじれて虚血になる疾患)では痛みを伴います。
■検査
・注意深い触診が重要です。硬い腫瘤として触知します。超音波検査(エコー)で確認することもあります。
・腫瘍の種類によって特殊な物質(腫瘍マーカーと言います)が血液中に増加することがあるのでこれを測定します。精巣腫瘍の場合、α-フェトプロテイン、hCG-β、LDHなどが腫瘍マーカーになります。
■治療
・早い時期に精巣を摘出する必要があります。
・早く見つかった場合(早期)は精巣摘出術だけで治癒可能です。再発がないか、数年間はチェックが必要です。
・転移をしてしまっていた場合、転移の可能性が高い場合は抗癌剤の治療や放射線治療が必要になります。治療法の進歩により、ほとんどの場合治癒可能です。
●副腎腫瘍
腎臓の上部にある副腎という内分泌臓器にできるおできです。腫瘍のタイプにより、高血圧や糖尿病などの原因になることがあります。疑われる場合は精密検査が必用になりますので、連携施設にご紹介いたします。